開幕前から「脱ベンゲル」らしさが垣間見える
まず昨シーズン開幕前、2017年11月にスカウト部門の責任者としてクラブに迎え入れられたスヴェン・ミスリンタットの尽力もあり、ドルトムントからソクラティス・パパスタソプーロス、サンプドリアからルーカス・トレイラ、ロリアンからマテオ・ゲンドゥジらを獲得。それまで数年間ガナーズの泣き所となっていたCBや守備的MFを獲得したことで、早速「アーセン・ベンゲル時代との違い」を示した。
序盤戦はまだチームが未完成だったこともあり、開幕2試合でマンチェスター・シティとチェルシーに敗れて2連敗スタートとなった。ただし23年ぶりの新体制であることを考えれば仕方がない部分もある。むしろ日程の運が悪かったのだ。
ただ時間が経つにつれ、戦術面では、それまで個人の能力に頼りがちだった後方からのビルドアップや前線からのプレスに少しずつエメリのプレーモデルが根付き始める。これらはベンゲル時代になかったものだ。
だからこそ、それに「対応できる選手」と「対応できない選手」とで明暗が分かれ始める。
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