CLベスト16敗退という屈辱
ネイマールとエディンソン・カバーニを負傷で欠いた状態で、敵陣での第1戦を0-2で勝利したPSGが次ラウンドに勝ち抜ける勝率は、100%、と算出された。おまけに第2戦では、今度はユナイテッド側に負傷者が続出。やむなくアカデミーを卒業したばかりのティーンエイジャーを引き連れて、彼らはパリにやってきた。
メディアに15分だけ公開されたパルク・デ・プランスでのユナイテッドの前日練習の様子は、マインドコントロール効果があったのではないかとさえ思える光景だった。
先輩たちが円陣になってボールを回す側で、所在なく立ち尽くす10代の選手たち。彼らはCLはおろか国内のリーグ戦ですらデビューしているかしていないド新人だ。その“先輩たち”でさえ、負傷明けのマルコス・ロホや、入団1年目のフレッジ、ディオゴ・ダロ、経験の浅いアンドレアス・ペレイラ等、やや頼りなげなメンバーだった。
それは、「アウェイゴール2点のアドバンテージがある俺たちをホームで破るなんて冗談じゃない」と高をくくった選手がいても不思議ではない風景だった。
試合は、ロメル・ルカクが早々に得点したが、ユナイテッドはパスミスも多く、「あーあー」という場面の続出だった。総計は3-2とPSGがリードでアディショナルタイムへ。ところがそこでプレスネル・キンペンベのハンドでユナイテッドにPKが与えられると、それをマーカス・ラッシュフォードが決め、劇的なエンディングで、ミッション・インポッシブルを実現してしまった。
勝率100%を、1.5軍チームにひっくり返された屈辱。今年こそビッグチャンスだ!と言われながらまたもラウンド16でCL敗退となってしまった恥辱…。
リーグ優勝はそれまでの貯金でほぼ安泰だったが、それもほぼ確実となった4月には、全コンペティションあわせた7戦で、2勝1分4敗と大きく負け越し。最終節のスタッド・ランス戦にも敗れて黒星でシーズンを終えるという尻つぼみなシーズンとなってしまったのだった。