出だしは順調。しかし…
2018/19シーズン、第33節が終了した時点で、パリ・サンジェルマン(PSG)はリーグ優勝を決めた。しかしその6日後のフランスカップ決勝戦では、レンヌにPK戦の末に敗れ、ダブル優勝を逃した。すでにリーグカップは、準々決勝でリーグ最下位のギャンガンに敗れていたから、PSGはこのシーズン、一冠のみに終わった(シーズン開幕前のスーパーカップは除く)。
12月2日の第15節、ボルドー戦に敗れるまで、欧州の主要リーグでは初の開幕14連勝を達成。出だしは好調だった。新監督トーマス・トゥヘルを迎え、新体制下での初年度ということを考えると、これは素晴らしい成果だ。
コントロール・フリークと言われたトゥヘルだが、パリでは、まるで別人に生まれ変わったかのような柔軟性を見せた。遅刻は厳しく罰するといった規律は重んじながらも、心身のリフレッシュを優先して特別オフ日を与えたり、トレーニングや試合に支障がない以上は、プライベートでの行動にもとくに細かく言及していなかったと聞く。
この“緩さ”が結果的に、一冠のみというPSGにとっての大失態を招いたと、シーズン終了後、トゥヘルは非難された。若手選手の中には、常勝軍団であることにあぐらを欠き、試合によっては真剣さを欠いていた、というようなことも伝えられている。
その真偽はともかく、2018/19シーズンのPSGにとって大きな打撃を与えたのは、3月6日、チャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16第2戦で、マンチェスター・ユナイテッドに敗れたことだ。