バルセロナのサッカーを支える名手たち
今月23日にバルセロナ対チェルシー、27日にはバルセロナ対ヴィッセル神戸のRakuten CUPが行われる。リーグ2連覇のバルセロナ、UEFAヨーロッパリーグを制したチェルシー、ヴィッセル神戸には多くの名手が在籍している。圧巻のパフォーマンスを残している選手たちを、データを基に紐解いていく。
日本でチェルシー、ヴィッセル神戸と対戦するバルセロナは2008年以降、11シーズンで8回のリーガ制覇を記録。17年に監督に就任したエルネスト・バルベルデも連覇を達成している。
かつて監督を務めたペップ・グアルディオラ、昨季限りで現役を引退したシャビ・エルナンデス、現在はヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタなど、バルセロナはこれまで多くの司令塔を輩出してきた。
バルセロナのサッカーの特徴の1つに「パス」が挙げられる。昨季の1試合平均のパス本数666本はリーグ1位で、個人としてはMFイバン・ラキティッチが最多の76.4本を記録。中盤で広範囲に動き回り、長短のパスを使い分けるラキティッチを起点に、多くのチャンスが生まれている。
そして、ゴールゲッターの役割を担うのがFWリオネル・メッシ。リーグ戦では5大リーグ(イングランド・スペイン・ドイツ・イタリア・フランス)最多の36ゴールをマーク。ペナルティーエリア外から9ゴールを決めており、これも5大リーグ最多となっている。公式戦603ゴールをマークしてきた、バルセロナの絶対的エースから目が離せない。
メッシが際立っているのは得点力だけではない。昨季のアシスト数13はリーグ最多を記録。さらに、圧倒的な得点力を誇るメッシには、あらゆる方向からアシストが供給される。昨季はMFアルトゥール・ビダルが6本、FWルイス・スアレスが5本、ラキティッチとDFジョルディ・アルバが4本ずつ、メッシの得点をアシスト。ゴールパターンを多く持っていることが、バルセロナの強みだ。
EL覇者チェルシーの強さ
昨季、プレミアリーグ3位だったチェルシーは、UEFAヨーロッパリーグ(EL)で勝ち上がると、決勝戦でアーセナルを下して2度目の栄冠を獲得。そして、今季からはクラブのレジェンドでもあるフランク・ランパードが監督に就任した。
昨季のチェルシーもバルセロナ同様にパスをつなぐサッカーを展開。その中心となるのがMFジョルジーニョだ。中盤の底で攻撃を組み立てる役割を担うジョルジーニョが昨季記録したパス本数は3118本にも上り、5大リーグ最多の数字となっている。
前線のキーマンとなるのはFWオリビエ・ジルー。192cmの大きな身体を生かしたポストプレーなど、まわりを生かす能力に秀でている印象が強いセンターフォワードだが、昨季のELでは出場14試合で11得点をマークし、得点王に輝いた。
さらに、昨季加入したGKケパ・アリサバラガの貢献は計り知れない。1試合平均でリーグ最多となる23.8本のパス成功数を記録するなど、キックの精度にも定評があるケパだが、守備面の数字も目立つ。クリーンシート(無失点)数は、リーグ戦では3番目に多い14試合、ELでは最多となる7試合でマーク。最後方を守る守護神もチェルシーのストロングポイントになっている。
好調ヴィッセルを牽引する2人の職人
バルセロナから昨季加入したイニエスタに加えて、今季はダビド・ビジャ、セルジ・サンペールといった、かつてバルセロナに在籍した選手がプレーするヴィッセル神戸。トルステン・フィンク監督就任後は、2勝1敗1分と調子を上げている。
今季はコンディションに不安を抱えるイニエスタだが、限られた出場機会の中で結果を残している。第15節・FC東京戦でのゴールに続き、第17節・名古屋グランパス戦では2得点をマーク。中盤でのチャンスメークに加えて、フィニッシュの部分でも圧巻の数字を残している。
直近3試合で8得点をあげている好調な攻撃陣を牽引するのは、今季加入したビジャだ。この6試合で6得点をマークし、J1リーグの得点ランキングでもトップタイに位置している。
ビジャの特筆すべき能力は、衰え知らずの得点能力だろう。サラゴサで1部デビューした03/04シーズン以降、長期離脱を余儀なくされた11/12シーズンと1ヶ月のみのプレーとなったメルボルン在籍時を除き、すべてのシーズンで2ケタ得点をマーク。今季も既に10ゴールを挙げ、2ケタ得点は通算15シーズンとなった。38歳にしてなお衰えない得点力を、古巣バルセロナ戦でも見られるかもしれない。
(文:編集部)
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