結果的には無冠も、新シーズンに大きな期待
アヤックス戦でいうと2ndレグのルーカス・モウラのハットトリックも忘れてはならない。今季は本職ではない2トップの一角でプレーすることも多かったが、常にドリブル突破力など自身の武器を上手くいかし、重要な試合で奇跡的な活躍まで見せた。
あるいはクリスティアン・エリクセンは、相変わらずチームの操縦桿を握る司令塔としてフィジカル型の選手たちを上手く操っていたし、ハリー・ウィンクスはエリクセンよりやや低い位置から同様の役割をこなすことに挑戦して一定の結果も残している。
本当に多くの選手たちが、さらなる成長を見せたのだ。
そんな最高のシーズンだっただけに、チャンピオンズリーグの優勝もできれば、綺麗な幕切れだったのかもしれないが、欧州タイトルの壁は分厚く高い。だからこそ挑戦のしがいもあるというものだ。
結果的には無冠で悔しい思いを選手もファンもしたかもしれない。でもスパーズは確実に、正しい道を着実に歩んでいる。強さを感じることができつつ、翌シーズン以降にも期待が残る、最高にエキサイティングなシーズンだったことに変わりはない。
来シーズンのさらなる躍進に期待したいところだ。
(文:内藤秀明)
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