ファン・ウェルメスケルケン際のズウォレ加入が決定【写真:Getty Images】
オランダ1部のズウォレは9日、元U-23日本代表DFファン・ウェルメスケルケン際の加入を発表した。
昨季まで在籍したオランダ2部のカンブールを退団していた同選手は、フリーでズウォレに加入し1年延長オプションの付いた2年契約を締結している。新天地では日本代表MF中山雄太とチームメイトになる。
オランダ人の父と日本人の母を持つファン・ウェルメスケルケンは、ヴァンフォーレ甲府U-18出身で、高校卒業と同時に渡欧。父の祖国であるオランダのドルトレヒトで研鑽を積み、2014/15シーズン終盤に1部リーグでトップチームデビューを果たした。
2017/18シーズンからは2部でも上位争いをしていたカンブールへ移籍し、2年間主力として活躍。昨季は不動の右サイドバックとして、1部昇格プレーオフも含めリーグ戦全42試合に先発フル出場していた。また、昨季のオランダ2部リーグのベストイレブンにも選ばれている。
そういった地道な積み重ねは1部クラブにもしっかりと評価されていた。ズウォレのテクニカルマネージャーを務めるマイク・ウィレムス氏は、「際は近年進歩してきた選手。ドルトレヒトからカンブールに移り、昨季の彼を無視することはできなかった」と25歳のDFを絶賛する。
さらに「元々はウィンガーだったが、サイドバックに転向し、そこで(2部)最強になった。ズウォレでも、そのポジションに集中するチャンスが彼にはある」と、引き続き右サイドバックとしての活躍を見込んでいることも明かしている。
4年ぶりにオランダ1部への挑戦権を掴み取ったファン・ウェルメスケルケンは、ズウォレの公式サイトを通じて「代理人からズウォレが自分に興味を持っていると聞いて、すぐに話を始めた。ドルトレヒトとカンブールを経て、ステップアップの準備はできていると感じている」と意気込みを語っている。
そのうえで「僕の究極的な目標は日本代表としてワールドカップでプレーすることで、隠してはいない。そのためにも、このステップは自分にとって唯一正しいものだと思う」と移籍への喜びも述べた。
オランダ1部リーグには中山の他にもフローニンゲンの堂安律や板倉滉がいる。セカンドチームからのスタートが濃厚ながら、強豪AZアルクマールにはU-20日本代表DF菅原由勢の加入が決まった。ファン・ウェルメスケルケンはズウォレでポジションを勝ち取り、夢の日本代表への道を進めるだろうか。カタールワールドカップに向けて、扉は常に開かれている。
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