アヤックスに所属するブラジル代表FWダビド・ネレス【写真:Getty Images】
ブラジル代表の一員としてコパ・アメリカ2019(南米選手権優勝に貢献したFWダビド・ネレスは、この夏にステップアップ移籍を決断するのだろうか。
現地7日の決勝を終えて取材エリアに現れたネレスは、片手に大会期間中に使用した6足のスパイクが入ったゴミ袋、もう片方の手に小物を入れたバッグとビールの缶を握りしめていた。「ビールは好きだよ」と語る22歳は、自らの将来についてもしっかりとコメントした。
まだ行き先は決めていないというが、これから休暇に入り「28日にはアヤックスに合流しなければいけない」とネレスは明かす。昨季オランダやチャンピオンズリーグで鮮烈な活躍を披露した若手ウィンガーにはマンチェスター・ユナイテッドやアトレティコ・マドリー、エバートンなどからの関心が伝えられているものの、「ステップアップの時なのではないか?」と問うと「いいや、僕の将来はアヤックスにある」ときっぱり答えた。
コパ・アメリカでは開幕戦先発を勝ち取りながら、ネレスは調子が上がらず徐々に出場機会を減らしていき「自分のポジションを失うのは、確かに僕にとって困難だった。僕は全力を尽くしたが十分ではなかった」と述べる。それでも「最終的にチームの一員として、まずは勝つことが重要。それには満足している」と優勝を誇っている。
「代表でこのタイトルを獲得できたのは素晴らしいこと。そして経験豊富な選手とプレーできたことは素晴らしい経験だった。自分も大人になって、経験を積んでいる。それは自分の成長にとって非常にいいことだと思う」
喜びも悔しさも味わったコパ・アメリカでの戦いを終えて、ネレスはクラブに戻る。果たしてそれは言葉通りアヤックスになるか、それとも別のクラブになるか。移籍を否定してはいるものの、市場が閉まるまで何事も起こりうるのがサッカーの世界だ。
(取材・文:舩木渉【ブラジル】)
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