ミラン
またもチャンピオンズリーグ出場権獲得を逃したミラン【写真:Getty Images】
全体評価:D
リーグ戦成績:勝ち点68(19勝8敗11分)
UEFAヨーロッパリーグ成績:グループリーグ敗退
ゴンサロ・イグアインやマッティア・カルダーラ、ディエムエ・バカヨコら昨夏も選手を大量に補強したミラン。2013/14シーズン以来となるチャンピオンズリーグ出場を目指して、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督率いるチームは、新たなスタートを切った。
しかし、開幕からまもなくしてミランは苦戦を強いられる。第1節のナポリ戦は2-3で逆転負けを喫し、第2節のローマ戦では勝利したものの、第3節から第5節までをドローで終えるなど、安定して勝ち点3を奪うことができない。さらにジャコモ・ボナヴェントゥーラやルーカス・ビリア、マテオ・ムサッキオら主力選手にけが人が続出し、満足したスタメンを組むことができないといった試合が多く見受けられた。
そんなミランに追い打ちをかけたのが新加入選手の不調。バカヨコはビリア不在時の新たなオプションとなることができたが、守備の新たな要と期待されたカルダーラが負傷の影響で戦力となることができず。サム・カスティジェホも起爆剤となることができず、イバン・ストリニッチも心臓に問題を抱えシーズンの前半戦はほぼ棒に振っている。新エースとして期待されたイグアインは公式戦22試合で8得点の成績を残したが、試合を重ねるごとにフラストレーションを溜め込んでいくのは明らかであり、第12節の古巣・ユベントス戦では相手選手と衝突し、退場処分を喰らうなどストライカーとしての姿を失う。ついにはレオナルドSDもイグアインに対し厳しいコメントを残すなど、ミラニスタのハートを掴むには至らなかったのである。
そんなミランはなんとヨーロッパリーグでもグループリーグ敗退という屈辱的な成績を残してしまった。さらに2018年内のリーグ戦をCL出場圏外の5位で終えるなど、サポーターに募ったのは不安ばかり。ガットゥーゾ監督解任の噂やイグアイン移籍の噂など、世間に流れるミランのニュースはどれも暗いものばかりであった。
危機的状況に追い込まれたミランは、今冬に大きな決断を下した。イグアインをチェルシーへ売却し、代わりにジェノアで大ブレイクを果たしていたFWクシシュトフ・ピョンテク、フラメンゴで成長を遂げていたカカ二世とも称されるMFルーカス・パケタを獲得したのである。二人を獲得する際に費やした金額は約90億円ほどとも言われているが、この決断はミランの運命を大きく分けた。
新加入組はすぐに主力として起用され、ピッチの中で躍動。とくにピョンテクはミラン加入後に公式戦3試合連続得点をマークするなど期待に応えた。チームは12月下旬から続いていたリーグ戦無敗記録を「10」にまで伸ばすなど、一時は3位にまで順位を回復させたのである。
それでも、最後は勝負弱さが出た。3月下旬から4月下旬までのリーグ戦7試合でわずか1勝と順位を7位にまで落とす。最後は4連勝でシーズンを締めくくったものの、4位・インテルに勝ち点1及ばず、ミランは再びCL出場権を逃す結果となった。
稼いだ勝ち点68の5位は近年で最も良い成績となっているものの、CL出場権を逃せばそれは失敗なのである。最大の目標をまたも達成できなかったミランの評価は、やはり上がり切らない。
【了】