インテル
セリエAで4位に入ったインテル【写真:Getty Images】
全体評価:C
リーグ戦成績:勝ち点69(20勝9敗9分)
UEFAチャンピオンズリーグ成績:グループリーグ敗退
UEFAヨーロッパリーグ成績:ベスト16
ルチアーノ・スパレッティ体制2年目を迎えたインテルは、2018/19シーズン開幕前の移籍市場でラジャ・ナインゴランやマッテオ・ポリターノら、指揮官が求める人材を的確に補強。7季ぶりのチャンピオンズリーグに挑むためにも多くの実力者を揃えるなど、新シーズンに向けた意気込みは明らかだった。
しかし、リーグ戦のスタートは決して良いものではなかった。第1節のサッスオーロ戦では0-1で敗北しており、第2節のトリノ戦でも2-2のドロー。開幕2試合で勝ち星から見放される苦しい状況に置かれた。それでも、インテルはすぐに立て直す。第5節のサンプドリア戦で1-0の勝利を挙げると、そこから怒涛の7連勝を達成。同7試合で喫した失点はわずか「2」となっているなど、攻守両面で安定感を取り戻したのである。その後もインテルは新戦力が躍動し、勝ち点を的確に稼ぐ。結果、2018年をCL出場圏内の3位で締めるなど、決して悪くはない前半戦を送っていた。
だが、事件が起こったのは2月のことだった。マウロ・イカルディの主将はく奪をクラブが正式に発表したのである。イカルディのクラブに対する態度、契約延長交渉の停滞、妻で代理人のワンダ・ナラによる過激なコメント…主将はく奪の原因は様々あると言われているが、この前代未聞ともいえるシーズン途中の主将交代がチームに少なからず混乱を招いたのは紛れもない事実。インテルは、イカルディの主将はく奪が公になった2月中盤から後半にかけてリーグ戦2試合未勝利と苦しみ、一時4位にまで後退しているのだ。
ピッチ外での問題に振り回されたインテルは、結果的に4位で来季のCL出場権を獲得したものの、前半戦の出来を考えればもっと上の順位にいた可能性も捨てきれない。イカルディの主将はく奪がすべての状況を暗転させた、とまではいかないが、シーズン途中のいざこざはなんとももったいない出来事であった。
7季ぶりに挑んだCLではバルセロナ、トッテナム、PSVとの「死のグループ」で3位フィニッシュ。ヨーロッパリーグへ回ることになったが、その同大会でもベスト16でフランクフルトに屈し、早々に敗退を余儀なくされている。
結果、無冠で今季を締めることになったインテル。2季連続のCL出場を果たした点は評価できるかもしれないが、CL、ELの結果を考えるとC評価以上は難しいのではないだろうか。