地元ラジオ局の美人レポーター、ロハナ・リマ氏【写真:舩木渉】
コパ・アメリカ2019(南米選手権)は、大会始まって以来最高の盛り上がりに達している。なぜなら現地2日の準決勝で開催国ブラジルと、最大のライバルであるアルゼンチンが激突するからだ。
1日に行われた公式記者会見には会場を埋め尽くすほどのメディアが集結し、テレビカメラ用の台はパンパン、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。実際、両チームとも記者会見は予定されていた30分を大きくオーバーして、ひっきりなしに質問が飛んだ。
ただ、両国のメディアが共通して持っている意識もありそうだ。「ブラジルが優勝候補最有力であり、アルゼンチンはそれより劣っていること」「アルゼンチンはリオネル・メッシに大きく依存していること」の2つは、多くの質問者たちが口にしていた。
では、この大一番を取材予定のメディアは試合の展開をどう予想し、どんな結末を想像しているのか。記者会見後、地元ベロオリゾンチのラジオ局『スーペル・ノティシアFM』でレポーターを務める才女、ロハナ・リマ氏に話を聞いた。
「確かに私も多くのジャーナリストたちと同様に、現時点ではブラジルの方が優位に立っていると思う。でも、今から試合の結末について話すのは難しい。やはりアルゼンチンは良いチームだから。彼らをリスペクトしなければならないわ」
そう語るロハナ氏は「試合の入り」と「攻守の切り替え」をキーポイントに挙げた。
「正直、メッシが明日どんなプレーをするか予想することはできないわね。メッシはメッシだから。でも、アリソンは素晴らしいGKで、彼がブラジルを大いに助けてくれると思う。両方とも常に攻撃的でいたいチームなので、まずはハードにディフェンスをし、そこからスピードに乗って攻撃に出ていくこと。アリソンは今大会、まだ流れの中からゴールを1つも許していないし、それは私たちブラジルにとって大きなモチベーションになるわ」
会場となるベロオリゾンチのミネイロン・スタジアムは、5年前のワールドカップでブラジル代表がドイツ代表に1-7で敗れた場所でもある。そして因縁の相手とのビッグマッチ。メディアの士気も高まっている。
「ブラジル対アルゼンチンには伝統がある。歴史的な試合で、私たちはすぐ近くの国同士でもあり、大陸内で最大のライバルだから。メジャー大会、重要なシチュエーション、そういった場で私たちはいつもぶつかり合ってきたのよ」
ロハナ氏は、“クラシコ”に向けて燃えている。最後にスコア予想もしてもらった。彼女曰く「1-0でブラジルが勝つ」という。
「前半に私の好きなガブリエル・ジェズスが決めて勝つ。彼はロシアワールドカップでは1点も決められなかったけれど、今大会はその時以上のものを見せてくれると信じているわ」
果たしてこの予想は現実のものになるだろうか。コパ・アメリカ準決勝のブラジル対アルゼンチンは現地2日21時30分(日本時間3日9時30分)に、戦いの火蓋が切って落とされる。
(取材・文:舩木渉【ブラジル】)
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