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アジアの招待国排除を訴えたパラグアイ、日本のおかげで決勝Tへ。今何を思う?【コパ・アメリカ】

text by 編集部 photo by Getty Images

エドゥアルド・ベリッソ
パラグアイ代表を率いるエドゥアルド・ベリッソ監督【写真:Getty Images】

 ブラジルで開催中のコパ・アメリカ2019(南米選手権)は27日から決勝トーナメントに突入する。

 最初に登場するのは開催国ブラジルと、グループBを3位で突破したパラグアイだ。勝ち点2で決勝トーナメントに進出した相手ということもあり、すでに多くのメディアでブラジルの圧倒的有利が予想されている。

 そもそもパラグアイは、「アジアの招待国排除」を訴えてきた。同国代表のエドゥアルド・ベリッソ監督は、グループリーグ初戦でアジア王者カタールと1-1で引き分けた後、記者会見で「私はコパ・アメリカが全アメリカ大陸のチームで争われることに意味があると思う」と発言し、波紋を呼んでいた。

「カタールと日本について? 我々はコパ・アメリカが、(南米に加えて)中米や北米の国とともに大陸全体で1つの大会として争われるものと想像すべきだと思う。私はヨーロッパの大会にアメリカ大陸のチームが招待されるのを見たことはない」

 これがベリッソ監督の主張だった。カタールに引き分けた後にもかかわらず、自らの考えに「確信している」とまで付け加えたのである。ベネズエラ代表のラファエル・ドゥダメル監督も同調するような発言をしたとして、ブラジルメディアはここぞとばかりに沸き立った。

 ついには日本代表の公式記者会見で森保一監督らに対し「彼らは日本やカタールがいるべきではないと言っているが、どう思うか?」といった質問ばかりが飛ぶ事態にも発展している。

 だが、結果的にパラグアイはアジアのチームに救われて、決勝トーナメントに進むことができたと言える。3試合を終えて勝ち点はわずかに「2」しか積めておらず、グループリーグ突破は他力本願の状態だった。

 そこでグループCの最終節の結果が重要だった。もし日本対エクアドルでどちらかが勝っていれば、パラグアイは敗退していたのである。日本の力が一歩足りなかったから次のラウンドに進めたとも言えるが、一方で若手主体の日本が本気のエクアドルに1-1と奮闘したから“漁夫の利”を得られたとも言える。しかも、パラグアイは同じアジアからやってきたカタールに勝てていない。

 そうしてブラジルとの大一番に臨むことが決まったパラグアイ。ベリッソ監督は何を思うのか。決戦の前日会見では、グループリーグでの戦いを次のように振り返った。ブラジル『スーペルデポルチ』など複数メディアが伝えている。

「我々はアルゼンチン、コロンビアと同居する最も厳しいグループに入った。結果は全チームが拮抗していた。その中で我々は、(敗退した)4チームよりも多く勝ち点を獲得したんだ」

 同組だったにもかかわらずカタールの名前は出さなかったが、結果を見れば実力は認めざるをえないはず。そして日本の戦いぶりも無視できないだろう。ベリッソ監督は南米勢の実力伯仲ぶりを強調したいのだろうが、すでに敗退が決まった国々に対する優位性を主張するのが限界のようだ。

【了】

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