【日本 2-2 ウルグアイ コパ・アメリカ2019・グループC組第2節】

　日本代表は現地時間20日、コパ・アメリカ2019（南米選手権）のグループリーグC組第2節でウルグアイ代表と対戦し、2-2のドローに終わっている。

　決勝トーナメント進出のためにも勝ち点の獲得が必須であったことから、このウルグアイ戦は森保ジャパンにとって価値のあるゲームになったと言えるだろう。そして東京五輪世代の選手たちからすれば、世界の強豪相手に堂々とした戦いができたという事実は大きな自信にもなったはずだ。

　チームとしてはもちろん、個人としての活躍も大いに目立ったウルグアイ戦。代表初スタメンを飾った三好康児は2ゴールを挙げMOMに輝き、GK川島永嗣はベテランらしい落ち着きぶりで何本ものシュートをブロックしていた。

　そしてもう一人、目に見える結果こそ残せなかったものの印象的な活躍を見せていた選手がいる。岡崎慎司だ。

　1トップでスタメン出場を果たした同選手は、立ち上がりからディエゴ・ゴディン、ホセ・マリア・ヒメネスの相手2CBに猛烈なプレスを与えに行く。若い選手にとってお手本となるプレーをベテランは早々に発揮し、その勇敢なる姿勢でチームを牽引した。

　2分には右サイドを抜け出した三好からのクロスに反応し、右足でシュートを放つなどFWとしての怖さも引き出す。カウンターの場面では相手DFを引き付け安部裕葵や三好、中島翔哉らのドリブルのコースをうまく作り出すなど、オフ・ザ・ボールの動きも目立っていた。

　日本代表の追加点の場面では、杉岡大暉のクロスに対しニアサイドで反応。ボールに触れることはできなかったが、GKフェルナンド・ムスレラのブラインドとなったことで、同守護神はボールの処理が甘くなった。そこへ三好が詰め、生まれた得点だった。岡崎のペナルティエリア内での駆け引きの上手さなどは、ゴディン、ヒメネスらワールドクラスのDFにとっても脅威となっていた。

　岡崎は90分間ピッチを走り続け、チームを活性化。得点に結びつけることはできなかったが、シュート数はチームトップとなる4本放っており、久々の代表戦でも存在感を発揮していたと言えるだろう。

　若い選手にも見劣りしない、その貢献度。試合後の会見で森保一監督は岡崎について「期待通りと期待以上、両方とも。岡崎だけでなく、経験のある選手がプレーを背中で見せる。培ってきた経験を見せてくれた。経験のある選手たちから、学んでもらい今後の成長につながっていってほしい」とコメントしていたという。果敢に前線からプレスを与えに行く姿や走り続ける姿勢。岡崎はまさに「背中で見せるプレー」を余すことなく発揮した。

　森保ジャパンにおける1トップの絶対的選手は大迫勇也で、同選手の代わりとなる選手は未だ見つかっていない。今月上旬に行われたキリンチャレンジカップ2019で永井謙佑が結果を残したが、大舞台で同じようなパフォーマンスを引き出せるかは不透明だ。

　そういった意味でも、岡崎はまだまだ第一線で勝負できるはずだ。コパ・アメリカでの冒険はまだ終わらない。次戦はなんとしてもゴールが欲しいところだろう。

（取材：植田路生、文・構成：編集部）

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