前田大然はウルグアイ戦の欠場が決定【写真:Getty Images】
日本代表は現地19日、翌日に控えたコパ・アメリカ2019(南米選手権)のグループリーグ第2節ウルグアイ戦に向けて練習を行った。
大一番を控えた最終調整の場には、18日の練習を回避していた2選手も姿を見せた。しかし、FW前田大然は股関節に違和感を抱えており、全体練習には加わらず。「前田は次の試合出られないです」と森保一監督もウルグアイ戦の欠場を認めている。一方、DF原輝綺は他の選手たちと一緒に無事練習メニューを消化したという。
練習前に試合会場となるアレーナ・グレミオでの記者会見に臨んだ森保監督は「中2日での試合ということで、何人かの選手が変わってウルグアイ戦に出場することになると思います」とスタメンの入れ替えを示唆した。すでに前田の欠場が決まっているだけでなく、他にも数人の変更がありそうだ。
だが、0-4で大敗したチリ戦からシステムを変えるつもりはない様子。練習後にも取材に応じた指揮官は「ベースは前回と同じ」でだと明かし、相手のシステムがチリとウルグアイで違ったとしても「自分たちがどうやって攻撃で(相手を)剥がしていくかというところと、守備の局面でのマッチアップで、できることとできないことがハッキリすると思うので、そういう形で責任を持って選手にプレーしてもらいたい」と4-4-2の相手に真っ向からぶつかっていく姿勢を示した。
初戦のエクアドル戦に4-0で勝利しているウルグアイは、4-4-2をベースにバルセロナ所属のFWルイス・スアレスとパリ・サンジェルマン所属のFWエディンソン・カバーニという、長くチームを支えてきた強力2トップが君臨している。
日本はチリ戦で攻撃時は4-2-3-1に近く、守備で構える際は4-4-2になる変則システムを採用。森保監督が述べた通り、ウルグアイの布陣に対してはマッチアップが明確となって選手たちにとっては役割が整理されてプレーしやすいかもしれない。
ウルグアイ代表のオスカル・タバレス監督は、昨年10月に3-4で敗れた親善試合のときとは日本代表のメンバーが大きく違うものの、「(日本の選手は)スピードが速いし、すごく体力がある。素早いリズムの試合になる。日本代表の進歩や発展にふさわしいチーム」と若返ったサムライブルーへのリスペクトを記者会見で強調していた。
そのうえで「これからのコパ・アメリカでの結果も、次の試合によって左右される。もちろん我々はこのグループリーグから次のステージへ進みたいので、100%でプレーしたいと思う」と全力で勝利に向けてまい進することを宣言。日本のディフェンス陣がスアレスとカバーニの強力2トップを食い止め、素早い攻撃で勝機を見出せるかに注目だ。
なお、19日の練習開始前には18日に亡くなった日本サッカー協会(JFA)国際委員の北山朝徳氏への追悼の意を表し、チームで黙とうを捧げた。選手たちは20日の試合で喪章を着けてプレーする予定となっている。
北山氏はアルゼンチンの首都ブエノスアイレス在住で、1978年のアルゼンチンワールドカップで日本サッカー関係者と出会ったことをきっかけにJFAをサポートし始め、南米サッカー連盟(CONMEBOL)との関係構築に大きく貢献。その後は南米各国に遠征する日本代表のサポートや、南米のクラブや代表チームを日本に招へいする際の交渉役を担うなど、約40年にわたってJFAの国際委員として活躍していた。
(取材・文:舩木渉【ブラジル】)
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