「センターフォーワードの仕事は得点を取ること」
――2点をリードしているチリは、引いて守ってカウンターという意識が強くなってきました。
「リードしていれば、強豪チームはそうしますね。試合の流れによってプレーすることができる」
――上田選手は、チャンスをなかなか決めることができません。ボールをもらうところは良かったですが。
「それはもちろん良かったけど、センターフォーワードの仕事は得点を取ることです」
――上田に代わって岡崎慎司が入ります。
「経験の面で反対です!」
――82分には、右サイドのクロスからサンチェスに決められてしまいました。その直後のバルガスに4点目を…。
「簡単すぎ。大迫はそこに行くべきじゃなかったね。柴崎も、あそこでボールロスするのは良くない」
――バルガスはコパ・アメリカ通算13試合で12得点だそうです。
「まさにセンターフォーワードの活躍ですね!」
――安倍は終了間際にチャンスがいくつかありました。
「そうですね。でも、日本は得点ゼロ。この敗戦は痛いね」
「『大人対子供』のような試合」
――前半は40分までは無失点に抑えていましたが、結果的には0-4となってしまいました。
「このチームは“日本代表”じゃなくて“五輪代表”ですし、前回と前々回のチャンピオンと対戦する上に、スタメンの中で6人が初出場だったので『大人対子供』のような試合になるかなというイメージがあって、結局そうなってしまいましたね」
「もちろん日本は全部が悪かったわけではないですが、勝負を決める場面では良くなかった。私は試合が始まる前に『冷静なプレー』を求めましたが、立ち上がりの20分くらいしかできなかった。それは残念です。
――次戦に向けて、日本はどのようなところを改善すべきだと思いますか?
「ペナルティ・エリアでしっかり仕事しないといけない。ディフェンスは簡単に相手にチャンス与えてはいけないし、相手のエリアではチャンスを活かさないといけない。それは当然かもしれませんが、今日の試合で再確認出来たと思います」
――それもふまえて、ウルグアイ戦で活躍を期待する選手はいますか?
「上田ですね。さっきも言いましたが、彼はメンタルが強そうなタイプなので、切り替えて、次の試合で点を取って欲しいです。今日はチャンスを決め切れなかったが、チリとの対戦で3度もビッグチャンスがあるのは、彼の動きやセンスのおかげだと思うので、次の試合でも自信を持ってプレーして欲しいです」
――なるほど。では、岡崎選手に代えない方がいいですね。
「だと思う。もしベンチに下げれば自信がなくなる可能性あるからね」
――ありがとうございました。次回のウルグアイ戦もよろしくお願いします!
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。
【了】