コパ・アメリカ2019に参戦中の日本代表は現地時間14日、ブラジル・サンパウロ市内においてトレーニングを行った。

　その前日、日本代表メンバーの久保建英のレアル・マドリー移籍が発表されていた。移籍について報道陣は久保のコメントを求めて殺到するも、本人は移籍については口を開かなかった。

　報道陣を前にした久保は開口一番、「すいません！　大会に集中したいので、大会終わるまでは大会のことしか答えないです」と明言。自身の移籍についてまずは話さないことを明らかにした。レアル・マドリーという世界一のクラブへの移籍だけに日に日に報道は過熱している。本人がコメントすることでそれがより加速するのは必至の状況だった。

　これは模範解答とも言えるだろう。報道陣から質問が出てお茶を濁しても何かしらの記事にはなってしまう。また、「ノーコメント」と回答することでネガティブな報道が出る恐れもある。「本件には答えない」ことをはっきりとさせることでその後の取材もスムーズに進む。また、報道を沈静化させることを余計な雑音を自身とチームから少なくすることができる。

　自分に注目が集まっているなかで、報道陣の質問を想定して適切な回答を用意できる選手は少ない。18歳になったばかりではあるが、この日の久保はプロとしての立ち居振る舞いが完璧にできていた。

（取材・文：植田路生【サンパウロ】）

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