直前の親善試合でネイマールが負傷
ブラジル代表がコパ・アメリカを最後に優勝したのは2007年で、以降の3大会は準決勝にすら進めていない。昨年のロシアワールドカップも準々決勝でベルギーに敗退。なんとしてでもコパ・アメリカ制覇を狙いたいところだろう。
そんなチームを悪いニュースが襲った。ブラジル代表のエース・ネイマールは、5日に行われたカタール代表との国際親善試合で右足首の靭帯を断裂。ブラジルサッカー連盟(CBF)は6日、ネイマールのコパ・アメリカ欠場を発表した。
3トップには1997年生まれの3人が並ぶことが予想される。中央にはガブリエリル・ジェズス、ダビド・ネレスとリシャルリソンが両ウイングを務めるだろう。
今年3月に代表デビューしたばかりのネレスは、今季アヤックスのCLベスト4入りに貢献した新星。昨年9月に代表デビューしたリシャルリソンも、エバートンでチームトップタイの13ゴールを記録し、ブレイクした期待の若手だ。
1日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を戦ったばかりのロベルト・フィルミーノは、9日のホンジュラス戦に途中出場し、ゴールを決めた。7-0と大勝したこの試合でブラジルはジェズスが2得点、ネレスとリシャルリソンが1得点をマーク。ネイマール不在を感じさせない攻撃を見せた。
さらに、ネイマールの代役にウィリアンを追加招集。22歳トリオの活躍には大きな期待がかかるが、経験豊富なフィルミーノとウィリアンの存在は、層の厚みをもたらすだろう。
盤石な中盤
さらに、中盤には定石の顔が連ねる。アンカーの位置にはカゼミロ、フェルナンジーニョが順当に選出された中、リバプールCL制覇のキーマンとなったファビーニョですら、ブラジル代表に入れないほどの層の厚さだ。ファーストチョイスはカゼミロになるものとみられる。
カゼミロの前には、バルセロナコンビがいる。今季バルセロナに移籍したアルトゥールはワールドカップ後の2018年9月に代表デビュー。以降はすべての試合に出場し、中盤のポジションを担うことは確実だろう。所属クラブでは何かと批判にさらされたフィリッペ・コウチーニョも代表においては重要な役割を担う。
熾烈な正GK争いの行方は…
守護神をめぐる争いは、コパ・アメリカ出場国の中で、もっともハイレベルな戦いと言っていいだろう。
2016年6月のチッチ監督就任以降、長らく正GKを務めてきたアリソンは、ロシアワールドカップでも全5試合に出場。しかし、ワールドカップ以降は、アリソンの5試合に対し、エデルソンも4試合と、ほぼ均等な出場機会を与えられてきた。
さらに、大会直前の親善試合でも、カタール戦にエデルソン、ホンジュラス戦にアリソンと、両者を起用。最後まで指揮官の頭を悩ませることになりそうだ。
プレミアリーグで熾烈な首位争いを繰り広げたマンチェスター・シティとリバプールに所属する両者は、リーグ戦の成績でもほぼ互角の成績を残した。優勝したシティのエデルソンはクリーンシート(無失点)を20試合で記録したのに対し、アリソンは21試合で記録している。
唯一と言っていい懸念材料はDF陣。チアゴ・シウバ、ミランダ、ダニエウ・アウベス、フィリペ・ルイスは30歳を超えている。今季はいずれの選手もフルシーズン戦い抜いたとは言い難く、連戦を乗り切れるかどうかには不安が残る。
それでも、大会直前の親善試合では、カタール代表に2-0、ホンジュラス代表に7-0と、ともに無失点で勝利しているのは好材料。攻撃へ専念することが許されているネイマールの不在によって好転する可能性もあるかもしれない。
予想フォーメーション
▽GK
アリソン(リバプール/イングランド)
▽DF
ダニエウ・アウベス(パリ・サンジェルマン/フランス)
マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/フランス)
チアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン/フランス)
フィリペ・ルイス(アトレティコ・マドリー/スペイン)
▽MF
カゼミロ(レアル・マドリード/スペイン)
フィリッペ・コウチーニョ(バルセロナ/スペイン)
アルトゥール(バルセロナ/スペイン)
▽FW
リシャルリソン(エバートン/イングランド)
ガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・C/イングランド)
ダビド・ネレス(アヤックス/オランダ)
(文・加藤健一)
【了】