悔しさが残る今シーズンの南野拓実
こうした中、アタッカー陣の軸を担うのはやはり背番号9をつける男だ。森保ジャパン発足時から堂安律、中島翔哉らとともに新たな2列目トリオを結成し、2018年9~10月の森保ジャパン発足3戦で4発というゴールラッシュを見せていた南野だが、その後は徐々に勢いが低下。アジアカップも決勝・カタール戦の1得点にとどまった。同大会では再三の決定機を迎えながら、肝心なところで決めきれず、メンタル的にやや弱気になる一面も垣間見せた。
その後、戻った所属のザルツブルクでもリーグ戦2ゴールのみ。UEFAヨーロッパリーグの方も3月7日の重要なナポリ戦で先発から外される苦境を味わった。
「俺はスタメンで出れる資格があると思うし、それだけのものは残してきている」と本人も不完全燃焼感を吐露。最終的にチームは今季オーストリア1部優勝を果たしたものの、どこか悔しさが残るシーズンだったのではないか。
そこに追い打ちをかけるように、今回の森保監督が「代名詞」とも言われる3-4-2-1の新布陣を導入。2列目のポジションが1枚減った。その一発目だったトリニダード・トバゴ戦で、南野は先発から押し出された。つまり、現時点での序列は堂安、中島より下ということ。
19歳だった2014年春にアルベルト・ザッケローニ監督から日本代表候補に招集され、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の2015年10月にはいち早く初キャップを飾った人間としては、このまま競争に負けるわけにはいかない。
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