長友が指摘した「日本人選手の癖」
サッカーはシンプルなスポーツだ。2つのチームのうち、より多くのゴールを奪った方が勝つ。一方、そのゴールにまで至る道筋は自由で複雑。勝つための方法は無数にある。だからこそ奥が深い。
だが、勝利への道筋を見つけるために持っていなければならないマインドがある。難しく考える必要はない。ごくシンプルな答えを、インテルやガラタサライの一員として世界と渡り合ってきた日本代表DF長友佑都は悟っていた。
「ゴールへ向かう認識合わせと言いますか、目的地がやっぱりゴールなのでね。そこの間の空間をみんなが意識を共有できないと、やっぱり躍動感のあるサッカーはできないなと思いましたね」
日本代表は5日の国際親善試合でトリニダード・トバゴ代表と対戦し、0-0のドローに終わった。森保一監督は、就任以降初となる3バックの採用に踏み切った。ところが最終的に25本ものシュートを放ちながら無得点。勝つために何が足りなかったのか。それは単に新システムの練度が低かったことよりも、「日本人の癖」が影響していたと長友は感じている。
「日本人選手の癖で、人とボール、人を意識してしまうところがあるのでね。だからボールを持っている人に寄っていってしまったり、目的地であるゴールへの意識があまりにも途切れてしまうというところが試合の躍動感にもつながってきているなと。海外の選手たちは、まず目的地があって、ゴールを取るためにポジションを取って、ゴールを取るためにランニングをする。やっぱりそこの違いが多少あるかなと思います」
「(3-4-3は)みんながギャップに立てる。相手は明らかに困っていたので、そこのギャップにボールがどんどん入ってきた。で、(中島)翔哉とか(堂安)律もすごくいい形でボールをもらえていた。後は最後のところがね。みんなのゴールへの認識が食い違っていたなというところがあって、最後のところの躍動感が出なかったのはそこだと思うんですよね」