U-20日本代表のDF菅原由勢【写真:Getty Images】
FIFA U-20ワールドカップ2019のラウンド16が4日に行われ、U=20日本代表はU-20韓国代表に0-1で敗れた。これで日本の世界一への挑戦は終わってしまった。
悲劇的な瞬間は84分に訪れた。相手を背負いながらボールキープし、反転して縦に繋ごうとしたDF菅原由勢のパスが相手に渡ってしまう。そこから素早くゴール前にクロスが送られ、オ・セフンに頭でゴールネットを揺らされた。これが韓国の決勝点となった。
痛恨のパスミスで失点のきっかけを作ってしまった菅原は、試合後「正直、これから一生頭から離れることのない場面だと思うし、あそこでプレーの選択を変えられなかったのは僕自身のレベルの低さだと思う」とうなだれた。
「チームの状況や時間帯も考えれば、外へ簡単に切るのでもよかったですし……考え始めたら止まらないですね。しっかり受け止めないといけないし、自分に対して考えないといけない」
菅原は韓国戦でも、それまでの試合でも、チーム内でMVP級の安定感抜群のプレーを見せてきただけに、悔しすぎる敗戦。終わりはあっけなかった。
「正直、やる前から自分たちのサッカーはどうなのかと考えたときに、主力が抜けたこととか色々のところから声が聞こえてきて、正直僕たちの中にも多少不安はありましたし、そういうプレッシャーと戦ってきた。全員がそのプレッシャーに打ち克ったことによっていいゲームができたと思うし、日本サッカーがここまでできる、世界を相手に負けなしでグループステージを突破できることも見せられたと思いますけれど、こういうところで勝ち切れないことは力不足だと思う。いくら世界を相手にして(グループステージ突破という結果を出せたとしても)、ここを突破できなかったのが今のレベル。本当に悔しいということしかない」
この悔しさは、帰国した後のJリーグやさらに上の東京五輪代表、A代表で晴らしていくしかない。ここから這い上がり、さらに成長していく菅原の頼もしい背中に期待したい。
(取材:本田千尋【ポーランド】、文・構成:編集部)
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