U-20日本代表に足りなかったもの
菅原は次のように振り返った。
「客観的に観ていたら優勢だったと思うし、チャンスもあったと思う。それはピッチ上で僕らも感じていた部分だと思う。ただやっぱり、チャンスが何度もあると頭の中にあってしまったことが。試合中の中で自分たちがボールを持っているからチャンスがあるだろうという考えになってしまっていて、アバウトなボールを入れてしまったり、もちろんそれも戦術的にはありだと思うんですけど、でも本当にこの試合の中でこの1つのチャンスに懸けるという情熱をボールに込められていたかと言えば、僕は込められていなかったと思うし、僕自身も込められていなかった。
(まだまだ)チャンスはあるからではなく、このチャンスでゲームを仕留め切って終わらせるということを思えなかった弱さを突き付けられた」
山田と菅原によれば、目の前に転がってきたチャンスに対して躊躇わず、迷わず食い千切る獰猛な肉食獣のようなスタンスが、韓国にはあって、日本にはなかったということになるだろうか。
ポスト直撃のシュートを放った宮代は「決め切るところを決め切れなかったり、最後の詰めの甘さっていうのが、この試合で出たなと思います」と振り返った。
東は、次のように端的に振り返っている。
「前半もしっかりボールを動かして相手も疲れてきたと思うんですけど、後半も自分たちがボールを保持していたけど、サッカーは点を取るスポーツなので、そこは強いチームだったら、その1点を守り切る力だったりがあると思うので、そこが足りなかったのかなと思います」
「サッカーは点を取るスポーツ」。その「点を取る」という最優先事項に対する認識の甘さが、U-20ワールドカップのラウンド16で、出てしまったのかもしれない。
(取材・文:本田千尋【ポーランド】)
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