立て続けのチャンスもモノにできず
もっとも、韓国の布陣変更に対して、山田は「とまどいはなかった」という。
「とまどいはなかったですけど、向こうにターゲットが1人いる中で、そこに蹴られて、そのセカンドボールが拾えなくて毎回押し込まれるような展開が、相手のなんでもないようなビルドアップでもないロングボールで毎回ラインを下げられてしまっていたので、その点はちょっと反省点かなあと思います」
193cmのオ・セフンを目掛けたロングボールと、そのセカンドボールを回収できなかったことを後半のポイントに挙げたのは、影山監督と同様である。
こうして韓国代表の9番、10番、11番が個の力を強め、日本代表は敵の攻勢に晒されていく。しかし「オープンな試合になった」ことで、前半に比べれば、日本にもチャンスが生まれるようになった。GK若原智哉もグループリーグに続いて安定したパフォーマンスを見せたことで、韓国に「ちょっとずつペースが移っていって」も、主導権を完全には渡さなかった。
影山監督は振り返る。
「失点をせずにじっくりと耐えながら、今度は相手のプレッシングをどうかわしていくかの部分で、さまざまな動きや努力をした結果、いくつかのチャンスを作り出せたので、そういった意味では、相手の出方を見ながら、自分たちを勝利に近づけていくという作業は、選手たちは非常に良くやってくれたと思います」
70分を過ぎると、日本代表は立て続けに決定機を作り出していく。
71分。藤本寛也が蹴ったCK。ファーで受けた宮代が、ゴール前で待つFW中村敬斗へボールを送る。途中出場のアタッカーは、ヘディングで韓国のゴールを陥れようとするが、敵のGKに左手一本で防がれてしまう。
77分。再びCKからCB小林友希がヘディング。ゴールの右に外れる。
78分。右サイドを抜け出した中村がペナルティエリアに入って、1人かわして左足でシュート。DFにブロックされて跳ね返ったボールを、宮代が拾ってそのまま右足を振り抜く。しかし、ボールは左のポストを直撃。ゴールを割ることはできなかった。