「焦らなくてもいい。自分は自分で」
森保一監督は5日のトリニダード・トバゴ戦で新たに招集した選手の起用には慎重な姿勢を見せているが、まずはベンチやスタンドから日本代表の戦いを目に焼き付け、そこで吸収したものを9日のエルサルバドル戦や、続くコパ・アメリカでピッチに立って表現できれば、得られる経験値は倍々に増えていく。
そして彼は6月4日に、18歳の誕生日という節目を迎えた。日本で選挙権が与えられるだけでなく、サッカー界で言えば欧州への移籍が可能になる年齢でもある。大人への階段を一歩上がった。だが、久保はいつもと変わらない。
「別に昨日と体調も変わらないので特にないですけど、選手として年齢が変わったので、これから『17』と言われることはなくなりますし、『18』になりますし、18歳と0日ですけど、359日とか363日も同じくくりだと思うので、そういう意味ではもうちょっとやらないといけないと思います。
18歳は若くないという感じに今はなってきていると思うので、18歳でも試合に出る人は出ますし、出ない人は出ないし、18歳で試合に出ているからといって、22歳、23歳になったときに約束されていることは何もないので。焦らなくてもいいと思いますし、でも結果は求めつつ、特に年齢が上がったからとかじゃなくて、自分は自分で」
この芯の強さと、言葉の端々から覗く内に秘める熱さが、まさに久保建英といったところ。「自分は自分で」。おそらく彼は相当なことがない限り、進むべき道を見失うことはない。どんな環境でも発揮できるコミュニケーション能力も、ピッチで見せるテクニックも、プレービジョンも、日本代表で試合を重ねれば、もっともっと伸びていく。もう「久保くん」ではなく、18歳の立派な「久保選手」だ。
(取材・文:舩木渉)
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