伊東が堂安より優位に立つには?
「選ぶのは監督なので、まず自分でできることをやるだけ」と語る伊東だが、オフからポジショニングや動き出しを意識して、ファーストコントロールで狙いを持って加速していく仕掛けが発揮されれば、日本代表により強力な武器を加えることができ、スタートから出たとしても、たとえば堂安との交代で途中から出たとしても存在感ある効果的なプレーを出して行く期待は高い。
ただ、現在でも堂安により強みがあるのは南野や中島、トップに入る大迫勇也などと連動して、コンビネーションでフィニッシュに絡むプレーだ。サイドバックとの連係に関しても、堂安はボールをキープして追い越さて、そこから動きなおしてリターンをもらうと言った多彩なプレーができる。一方の伊東はサイドバックにも後ろからフォローしてもらう方が特徴を出しやすい。
そうした意味では堂安の良さ、伊東の良さを森保監督が理解した上で使い分ければ、それだけでもバリエーションになるのだが、伊東が自分の持ち味を消すことなく、さらに周囲と連動するプレーを出していければ、年齢的に伸び盛りの堂安との競争で優位に立つ可能性も十分にある。
そこに二人ともタイプの異なる久保建英も加わってくれば競争はより興味深いものになるが、まずはこの数カ月で著しい成長を遂げた伊東が森保監督にどう起用され、堂安に勝るとも劣らないインパクトをもたらすことができるか注目だ。
(取材・文:河治良幸)
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