堂安を上回る強み。伊東が持つ武器とは?
これまでも森保ジャパンではサイドに張るだけでなくインサイドに流れる様なポジショニングは見られたが、要求に応えるために形としてやっているだけに見え、効果的ではなかった。
しかし、伊東本人が「監督にあっちで求められていたのは中で受けてのターンとか、そういう部分はうまくできた」と語る様に、実戦の中で必要なプレーを選択することを学び、状況判断が身に付いた今なら、日本代表でもサイドに張るポジショニングと中に流れるポジショニング、縦の仕掛けとシンプルなリターンの使い分けなどを状況に応じた判断で行い、味方にも共有を求めることができるだろう。
左利きの堂安は“逆足”アタッカーらしく中に流れてのプレーが多くなる。それは酒井宏樹や室屋成といった右サイドバックが高い位置を取ることでバランスが取れているが、彼らが深い位置を取る時間帯に攻撃の幅を使えなくなってしまう傾向も見られる。
しかし、伊東の場合はサイドに張ることも中に流れることも明確にできるので、攻撃の幅やバリエーションは堂安が出る場合よりも強みになりそうだ。
また伊東の場合は純粋に縦の仕掛けも鋭い。しかもベルギーでは柏レイソルの頃よりボールを引き出す動き出しやタイミング、ファーストコントロールからのターンに磨きをかけており、個の突破力をさらに発揮できるベースは上がっている。
Jリーグでは伊東の突破力そのものが異次元なところもあり、とにかく縦に仕掛ければ破れてしまったところもアジアカップでは簡単に縦を切られ、そこからの選択肢を失うシーンが見られた。
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