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Jリーグ 5年前

久保建英が持つ“敵をも味方にする”能力。日本代表の中心へ、天才の前に切り拓く欧州への道

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

「17歳とは思えないですけどね」(大分・片野坂監督)

片野坂知宏
「17歳とは思えないですけどね。いい選手だと思います」。大分・片野坂監督も久保を絶賛している【写真:Getty Images】

 前々節の北海道コンサドーレ札幌戦でも、同じような形から敵DFの股下を抜いて決めている。札幌GKク・ソンユンは、味方が消したはずのコースから、ブラインドになって見えないタイミングでシュートを打たれたことで反応が遅れたことを認めていた。そして、この試合も相手DFがいながら、それを逆手に取る形で得点につなげている。“敵をも味方にする”ような、そんなアイデアと能力を久保は持っているように見える。

 もし欧州に移籍すれば、日本よりもさらに大きくて強いDFが前に立ちはだかることになるだろう。だが、この異能をもってすれば、未来は明るいのではないかと思わせるほどの切れ味だった。

 さらに2-1の後半ロスタイムには相手のバックパスをカットすると、そのまま高い位置まで出てきていた高木もかわして、ゴールに流し込み勝利を決定づけた。長谷川健太監督も「シュート技術に関してはさすがだなと言うしかないかと思っています。1点目なんかも非常に難しい状況でしたけど、しっかり抜いてという形で。2点目も冷静に流し込んで」と、改めてフィニッシュの精度の高さに舌を巻いた。

 この試合まで大分はリーグ13戦を終えて、複数失点をした試合がなかった。それが久保1人に2点を奪われる結果に。大分・片野坂知宏監督は「スペースとか時間を与えるのはいけないのに、そこのチャレンジはできなかった。もったいなかったかなとは思います」と相手キーマンを自由にさせてしまったことを悔やんだ。

 続けて「いい選手じゃないですか。落ち着いているし、判断ができるし、得点という所でもチャンスメークもできるので、17歳とは思えないですけどね。いい選手だと思います」と絶賛していた。

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