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Jリーグ 5年前

久保建英が持つ“敵をも味方にする”能力。日本代表の中心へ、天才の前に切り拓く欧州への道

明治安田生命J1リーグ第14節、FC東京対大分トリニータが1日に行われ、ホームチームがMF久保建英の2得点などで3‐1の快勝をおさめた。17歳でのラストゲームを最高の形で終えたが、日本代表に初選出されたことに加え、6月4日に18歳になることで解禁される欧州移籍も絡み、一層注目を集めている。周囲が騒がしくなる中でも結果を出し続ける若き天才の傑出した能力と、今後の見通しとは。(取材・文:下河原基弘)

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

大分戦で圧巻の活躍

久保建英
明治安田生命J1リーグ第14節、大分戦で2ゴールを挙げる活躍を見せた久保建英【写真:Getty Images】

 これが若くして日本代表入りを果たし、世界のビッグクラブも欲しがる才能なのだろう。大分トリニータとの1戦で、90分通して違いを作り続けた久保建英。Jリーグは本当に近い将来に超えてしまう壁なのかも、と思わせる輝きを見せた。

 前半30分に右サイド深くで敵2人を引きつけて起点となり、MF橋本拳人の先制点を演出。さすがの存在感を見せつけると、9分後には技術の粋が詰まった技ありのゴールを決めてスタジアムを熱狂させた。

 中盤の左サイドで相手ボールをカットすると、軽々と1人かわしてドリブルでペナルティーエリアに入っていく。大分は2人がかりの対応でコースを消すことを狙ったが、久保は細かいフェイントを入れながら相手の動きを誘い出すと、股下が空いた瞬間、そこを狙ってシュートを打ち込んだ。鋭く速いボールは相手DFの足に当たってコースが変わりゴールネットに吸い込まれた。

「(最初ボールを)持った時は前に運ぶことしか考えてなかったので。(股下狙いにしたのは)最後ですね」と、こともなげに振り返ったが、角度があまりなく、守備が2人、さらにGKも万全の体勢で構えていたことを考えると難易度はかなり高かった。DFの足にボールが当たってコースが変わったという幸運もあったが、的確な判断と確かな技術があったからこその得点なのは確かだ。

「対峙しているDFが一番大変だとは思うんですけど…。相手のことをよく見ているし、多分相手がどうしようとしているのかは予測できているので、股抜きシュートとかうまいし、相手の食いつきをふんだんに使ってくる。こっちとしては失点シーンとかは悔しいですけど、対峙していて楽しかったです」と大分GK高木駿。「あのシュートも振り抜くからこそ、ああやってゴールが生まれる。それは彼の良さのゴールだと思う」と振り返った。

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