CLを制したリバプールのように…
いかに「冷静に」ファイトできるか。このあたりは“日韓戦”のポイントになるだろう。ハードに戦いを仕掛けてくる相手のペースに乗らずに、攻守の切り替えを怠らず、しっかりとした守備をベースに、自分たちの土俵に韓国代表を引きずり込む。
場合によっては、あえて“つまらないサッカー”をする必要もあるかもしれない。1日に行われたチャンピオンズリーグの決勝で、トッテナムに勝利したリバプールが展開したような、あまりに手堅いサッカー。
イタリア戦で負傷交代した田川享介と斉藤光毅が帰国することになってしまい、攻撃陣は少し手薄の状況。仮にゴールを奪うことに手こずったとしても、究極的には失点しなければ、延長、そしてPK戦に持ち込むことができるのだ。
GK若原智哉は、PKが「得意」と言う。
「得意な方なので、まあPKになれば、1本止めればたぶんみんな決めてくれると思うので、それぐらいの軽い気持ちで、PKになればちょっとあれですね、ワクワクします。ヒーローになれるチャンスなので、そこはめっちゃ笑っていると思います」
もちろん守護神も、まずは90分間で決着が付くことを望んでいる。
「できればもう90分でみんなも点決めてくれて、終わってくれれば、一番ベストなんですけど、もしそういうPKになってしまったら、まあ自分の見せ場なので、楽しみたいです」
果たしてポーランドで行われる“日韓戦”で、若原が「笑っている」時はやって来るのだろうか。
死闘の予感が漂う、決戦の地=ルブリンである。
(取材・文:本田千尋【ポーランド】)
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