奇跡の6分間
ここからの奇跡の6分は、何度見なおしても鳥肌が立つ。
56分、シャビ・アロンソの左サイドからの横パスを起点にディエトマー・ハマンのアシストからブラジミール・スミチェルが2点目を決めると、勢いは完全にレッズに傾いた。
会場の雰囲気も俄然リバプール寄りになってきて、リードしているミランの選手たちの顔からは焦りが見えだした。
そして60分、懸命の突破でゴール前に切り込んだジェラードがガットゥーソに倒されて、PKをゲット!
湧き上がる仲間の輪から、緊張の面持ちでPKスポットに歩み出たシャビ・アロンソ。このときの彼の表情がまた良いのだ。
ところが右足で蹴ったシュートはミランGKジーダが横っとびで跳ね返す。がしかし、そのリバウンドにアロンソ自ら飛びついて、今度は左足でゴール天井に突き刺した。
興奮度MAXになった瞬間である。
リバプールサポーターの何人かは気絶したのではないかと思う(同じくミランサポーターもショックで気絶していたかもしれない)。
のちに聞いた、「信じるのに疲れてきたころ……(反撃は訪れた)」という、リバプールファンのライター森昌利さんの、リアルな名言も忘れられない。
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