90分間奮闘も…
試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、何名かの選手はピッチに倒れ込んだ。そして、相手チームが歓喜に沸いている中、奮闘したトビー・アルデルヴァイレルトやルーカス・モウラといった選手の目には、涙が浮かんでいた。
現地時間1日、マドリードのワンダ・メトロポリターノで行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝でリバプールと対戦したトッテナム。クラブ史上初のビッグイヤー獲得を目指して90分間戦い続けたが、0-2で敗れ、惜しくも準優勝に終わった。
今季のCLで快進撃を見せてきたトッテナム。一時はグループリーグ敗退の危機に追い込まれながらも、粘り強い戦いを繰り広げ、なんとか決勝トーナメントへの切符を掴んだ。そして、ラウンド16ではボルシア・ドルトムントを、準々決勝ではマンチェスター・シティをそれぞれ退け、ベスト4入りを果たした。
準決勝のアヤックス戦は今でも人々の記憶に残っていることだろう。1stレグを0-1で落とし、2ndレグでも2点を先行されるなど、一時は合計スコアを0-3とされたトッテナム。もはや決勝進出は絶望的な状況となっていたが、後半、ルーカスがハットトリックを沈め、合計スコア3-3としたトッテナムはアウェイゴールの差でクラブ史上初のファイナル進出を決めたのである。まさに奇跡的な大逆転劇であった。
迎えた決勝戦。トッテナムはエースのハリー・ケインが復帰し、さらにはハリー・ウィンクスも先発に名を連ねていた。システムは4-2-3-1。対戦相手のリバプール同様、ベストメンバーでこの大一番に挑むことができた。