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CL決勝、リバプールの「肉を切らせて骨を断つ」戦い方。雪辱の舞台でクロップが選んだプランとは?

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝、トッテナム対リバプールが現地時間1日に行われた。試合は2-0でリバプールが勝利し、14年ぶり6度目のCL制覇を達成。この試合で見せたリバプールのゲームプランが、勝負を分けたと言えるだろう。(文:加藤健一)

text by 加藤健一 photo by Getty Images

いつもと異なる戦い方を選んだリバプール

リバプール
CL制覇を達成したリバプール【写真:Getty Images】

 今季3度目の涙は“嬉し涙”になった。

 1度目はチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ・バルセロナ戦。誰もが絶望的と思った決勝進出を決めたとき、ほとんどのリバプールの選手たちは感極まっていた。

 2度目はプレミアリーグ最終節・ウルバーハンプトン戦。2-0で勝利し、勝ち点を97としたものの、マンチェスター・シティにわずかに勝ち点「1」下回り、悲願の優勝を逃した“悔し涙”だった。

 トッテナムとのプレミア対決となった今季のCL決勝。2-0で勝利したこの日、リバプールの選手たちは3度目の涙を流した。

 先制したリバプールは、いつもと異なる戦い方を選んだ。

 リバプールの攻撃の最大の特徴は両SBにある。高い位置をとる両SBにサイドチェンジが入り、ルックアップした状態でクロスをあげる。今季はそのようなシーンから多くのチャンスを演出したことは、2人合わせて29アシストを記録した両SBのアンドリュー・ロバートソンとトレント・アレクサンダー=アーノルドが示している。

 しかし、この試合では変化が見られた。両SBはカウンターのリスクを警戒してか、あまり高い位置はとらず。代わりに相手DFの裏を突くロングボールを使って、サディオ・マネが抜け出すシーンが何度も見られた。開始25秒にPKを獲得した場面もそうだった。

 UEFAが出した平均ポジションのデータを見ても明らかだ。いつもは中盤3人と同じか、それより高いポジションをとるリバプールの両SBが、この日はきれいにCBとともに“4バック”を形成していた。

 リバプールは諸刃の剣でもある、自分たちの武器を捨て、勝つ確率が高い方法に賭けた。

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