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EL決勝、チェルシー対アーセナルはなぜ3点差もついたのか? 完璧なはずの守備戦術が破綻した理由

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

サッリ監督残留ならさらなる成長も期待できるが…

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移籍を明言したエデン・アザール【写真:Getty Images】

 その立役者となったのはエース、アザールだ。2点目ではペドロのゴールを冷静にアシストし、3点目ではPKからゴール、4点目では自身でチャンスを演出し、ジルーからのクロスを確実に決めた。

 得点シーン以外でもドリブルでアーセナルのプレスを突破することに貢献していた。マンマーク気味の守備において、一番いやなプレーはドリブル突破でマークをずらされることなのだ。

 試合後に移籍を明言してしまったことは、チェルシーファンにとっては悲しかったかもしれないが、ベルギー代表のアタッカーはヨーロッパリーグ優勝という大きな置き土産をプレゼントしてくれた。

 今季のチェルシーは好不調の波が激しかったものの、最終的にはリーグ戦では3位でフィニッシュして、ヨーロッパリーグというタイトルも獲得。総じてみると良いシーズンだったと言えるかもしれない。監督の去就が取りざたされているが、サッリが残留してさらにパスサッカーの精度を高めれば、来シーズンも面白くなりそうだ。

 一方のアーセナルは、チャンピオンズリーグ出場権獲得、GKペトロ・チェフの引退試合など、様々な意味合いのある一戦だっただけに悔しい敗戦となってしまった。とはいえ長期政権後という難しいシーズンだったことを考えると、エメリ監督も上手く立ち振る舞ったと思う。

 最後に、国内だけでも過密日程で苦しいなか、ヨーロッパリーグというハードな大会を勝ち抜いて、名勝負を演出してくれた両チームには心より拍手を送りたい。つかの間の休息ではあるが、ゆっくり心身ともに休めて、来シーズンまた最高のフットボールを見せてほしい。

(文:内藤秀明)

【了】

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