攻守両面で大きな存在感
伊藤洋輝のPK失敗に始まり、田川亨介の右太もも裏負傷、斉藤光毅の左肩負傷と相次ぐアクシデントに見舞われながら、スコアレスドローで勝ち点1を手にした29日のU-20イタリア代表戦。影山雅永監督率いるU-20日本代表はグループリーグ3試合で勝ち点5を手にし、イタリアに次ぐ2位でベスト16進出を決めた。
「イタリアに勝って1位通過しようとしていた」と指揮官が記者会見で語った通り、白星をつかみに行った試合で1点を奪い切れずに引き分けたことは悔やまれる。それでも、大会前から掲げていた最低ラインをクリアしたことは評価していいだろう。
立役者の1人がキャプテン・齊藤未月だ。今回の3試合をフル出場したのは、若原智哉、菅原由勢、小林友希と齊藤の4人。このうち今季J1で主力として活躍し、2019年U-20ワールドカップに乗り込んできたのは齊藤だけだ。
今季序盤の連戦の疲労も少なくなかったはずだが、彼は自身初のFIFA公式大会に堂々と挑み、中盤の広いエリアを1人でカバー。相手に激しく寄せてボールを奪い、時には攻撃にも出ていくという圧巻のパフォーマンスを見せているのだ。
イタリア戦でも、開始早々の2分にペナルティエリア外側の位置から思い切ってミドルシュートを放って積極性を示すところからスタート。後半2分にも右でタメを作った中村敬斗からラストパスをもらうべく一目散にゴール前へ抜け出す。
いずれも得点には至らなかったが、「単に守るだけでなく、攻撃で脅威を与えられるボランチ」であることを実証した。もちろん一番の仕事である守備面でも奮闘。数々のインターセプトやセカンドボールを回収する仕事で存在価値の大きさを改めて印象付けた。