フィジカルで相手DFを圧倒
イタリア戦の前半20分、縦パスがイタリアのセンターバックの頭上を越える。スタート時点ではDFのほうがボールに近かったが、田川亨介があっという間に追い抜いていった。強烈なスピード、速いとは思っていたがここまでとは思わなかった。競走するDFをぶっちぎってボールに追いつきGKと1対1。ただ、このときすでにハムストリングスに痛みを感じていた。
「スプリントを入れたときですね」(田川)
シュートはGKに防がれ、田川は倒れた。おそらく肉離れ。もしそうなら、ごく軽症としても決勝までに回復するかどうかだと思う。
「好調だったから悔しいですが、次へ切り替えています」(田川)
前線で攻撃をリードしてきたエースの離脱は痛いが、U-20ワールドカップでプレーした200分間はこれからの糧になるはずだ。
高さ、強さ、速さを兼ね備えた、日本では少ないトップを張れるタイプのFWである。イタリア戦では、前半9分に中央から左斜めに走ってロングパスを収め、ファウルを誘ってPKを得ている。スピードがあって球際に強い特徴が発揮されたシーンだった。26日に3-0で快勝したメキシコ戦でも、フィジカルで相手DFを圧倒していた。
「気持ちが乗っていました。気持ちが乗ればできる感覚はあって、今日(メキシコ戦)もそうだった」(田川)
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