EL制覇は必須。しかし…
来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得、現役引退を表明しているペトル・チェフ、そして決勝の舞台に立つことが叶わなかったアーロン・ラムジー、ヘンリク・ムヒタリアンのために…。アーセナルがヨーロッパリーグ(EL)のタイトルを取らなければならない理由はいくつもあった。
とくに重要だったのがやはりCL出場権の獲得だろう。ウナイ・エメリ新監督の下、焦点をそこに当て今シーズンに挑んでいたアーセナルは、プレミアリーグを5位でフィニッシュ。終盤の失速が響き、CL権獲得を早い段階で決めることができなかった。そのため、EL制覇が同クラブにとっては欧州最高峰の舞台への切符を掴む最後の希望となっていたのだ。
しかし、その希望はアゼルバイジャンの首都バクーでチェルシーに打ち砕かれた。前半こそチャンスを作ったアーセナルだったが、良い時間帯で得点を奪うことができず、0-0のまま後半へ突入。すると49分にエメルソン・パルミエリのクロスをオリビエ・ジルーに頭で合わせられ、先制ゴールを献上してしまう。
この1点が、試合の流れを大きく変えた。先制点を奪ったことで勢いに乗ったチェルシーは60分にペドロ・ロドリゲス、その5分後にエデン・アザールがゴールネットを揺らすなど、後半だけで3点を奪取。アーセナルは途中出場のアレックス・イウォビが意地の一発を沈めるも、72分に再びアザールにゴールを割られ、あっという間に4失点を喫した。
後半も残り20分ほどの時点で1-4というスコアは、アーセナルにとって痛すぎるものとなっていた。結果、ベンチにも流れを変えられる選手がおらず、試合はこのまま終了。アーセナルはライバルクラブ相手に、屈辱的な敗戦を喫してしまう形となった。
しかし、一体なぜアーセナルはここまでの大敗となってしまったのか。その原因を、攻守両面からの視点で振り返っていきたい。