連敗を7で止めたヴィッセル
心も身体も打ちのめされ、何度もどん底を味わわされた。それでも必死にファイティングポーズを取り続けた先に、ヴィッセル神戸が白星を手にしていくための最適解がようやく見えてきた。
ゴールが見逃される世紀の誤審をはね返し、浦和レッズから奇跡の逆転勝利をもぎ取って波に乗っている湘南ベルマーレを、ホームのノエビアスタジアム神戸に迎えた26日の明治安田生命J1リーグ第13節。後半だけで大量4ゴールを奪う快勝劇の余韻が残る取材エリアで、ゲームキャプテンを務めたボランチの山口蛍が残した言葉の数々に、泥沼の連敗を「7」で止めた理由が凝縮されていた。
「前半はそれほど上手くいっていなかったなかで、失点しなかったことが後半につながった。勝ち方も含めて明らかにみんなの自信になったはずなので、さらに伸び伸びとプレーできると思う」
J1リーグ戦におけるクラブワースト記録を更新する、第6節から第12節までに喫した7連敗の内容をあらためて振り返ってみると、顕著な傾向があることがわかる。前半を無失点に抑えて折り返した試合が、北海道コンサドーレ札幌との第10節しかない点だ。
残る6試合は前半のうちに、それも最速で10分、最も遅くて31分に失点している。連敗中は攻撃陣を中心にけが人が続出し、開幕前における看板だった“VIPトリオ”(ダビド・ビジャ、アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキ)が一度もそろい踏みしていない状況下で、先にビハインドを背負えばどうなるのか。山口がこんな言葉を紡いだことがある。