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EL決勝、有利なのはチェルシー? アーセナルも意気込みは十分。白熱必至の一戦、果たして【EL決勝プレビュー】

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

アーセナルに有利な状況もある

 とはいえチェルシー優勝確実かと聞かれれば、そんな簡単な話ではない。

 確かにリーグ戦の順位がチームの総合値だとするならば、チェルシーのほうが一枚上手なのかもしれないが、なんといってもアーセナルの監督はウナイ・エメリなのだ。過去にはセビージャでヨーロッパリーグ(EL)三連覇を成し遂げるなど、カップ戦で優勝する術を心得ている。どの試合でも相手の弱点を顕在化するために、智謀をめぐらし、チームをカメレオンのように変化させながら戦う。

 原則的に一つのサッカーで戦い、一つのサッカーのクオリティを高めようとするサッリとの相性でいうとアーセナルのほうが上なのだ。

 さらに現在のチェルシーには負傷者が続出しているのもマイナスポイントだ。今季、急成長を見せて主力となったアントニオ・リュディガー、カラム・ハドソン=オドイ、ルベン・ロフタス=チークらが負傷で欠場が決まっている。

 戦力的な意味合いでいうと、リュディガーの欠場は大きな痛手だ。相方のダビド・ルイスはパスセンスに定評があるものの、1試合のうちに何度も集中力を切らしてしまい、裏をとられることが多い。そんなベテランをサポートしていたのが、突出した身体能力で広大なエリアをカバーしていたリュディガーだったのだ。

 アーセナルには、ピエール=エメリク・オーバメヤンや、アレクサンドル・ラカゼットなど、狡猾なストライカーが揃っている。チェルシーは苦しまされる可能性が高い。

 しかも中盤の要であるエンゴロ・カンテも怪我で欠場する可能性があるというのだから絶望だ。もし小柄なフランス人MFまで出場できないのであれば、チェルシーは守備の二大看板を失ったことを意味する。

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