浦和戦で幕を開けた「柏劇場」
この男をコパ・アメリカで見たい! そう思わずにはいられないほどの圧巻のパフォーマンスだった。
前半6分、自陣で味方がボールを奪うと、最終ライン近くから柏好文が一気に飛び出す。敵陣深くまで走って左サイドで受けると、自慢のドリブルで切り崩すと思いきや、落ち着いて周りを見渡しMF川辺駿に戻す。タイミングを見計らいペナルティーエリアに入りスルーパスをもらうと、得意の切り返しから中央に浮き球を蹴りこんだ。
浦和DF鈴木大輔がどうにか頭で反応したボールは右ポストに当たり、跳ね返りをMF森島司が決めた。先制点をおぜん立てし、「シュートかクロスかは教えません」と冗談めかして話したが、周りの選手の使い方や絶妙の動きなど、レベルの高さを感じさせるプレーだった。
これが柏劇場の幕開けだった。同25分には浦和DFからボールを奪うと、敵ゴール前まで持ち上がり中央に折り返す。その流れからの味方シュートは相手GK西川周作に阻まれCKとなったが、それをFWドウグラス・ヴィエイラが頭で沈めて2点目。とどめの4点目の場面でも、嗅覚鋭くクロスに対してニアに飛び込んでつぶれ役となり、FW渡大生のゴールを演出した。
「0でおさえてしっかり4点取って勝てたのは、今後につながる大きな勝利かなと思います」。大敗した浦和はオズワルド・オリヴェイラ監督が退任することになった。