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アーセナルに芽吹いた新たなる希望。今、メイトランド=ナイルズがすごい。21歳の驚くべき資質

text by プレミアパブ編集部 photo by Getty Images

ベジェリンよりも上? その強力な武器とは

 ただしこの万能性が災いしたというべきか。ベンゲルラストシーズンのナイルズは、様々なポジションで起用された結果、適正ポジションがわからないままシーズンを終えたしまった印象がある。

 しかし今シーズンは一つの最適解を見つけたようだ。

 ウナイ・エメリ新監督の下、ベジェリンが負傷した年明け以降は定期的に右SBのポジションで起用されるようになり、とうとうその真価を発揮しはじめた。

 ナイルズの強みの一つはスプリント能力だ。実際リバプールのモハメド・サラーをはじめリーグ屈指のスピード自慢相手にも置いてきぼりをくらうことはほとんどない。

 単純なスピードでいうベジェリンもリーグ屈指だが、守備での対人能力でいうとナイルズのほうが上だ。ベジェリンが今季リーグ戦19試合出場してタックル成功回数が12回しかないのに対して、16試合出場のナイルズは22回成功している。

 サイドの守備が安定した影響は大きかった。ナイルズが右サイドで定期的に出場機会を得るようになった3月頃からアーセナルの守備は良化した。実際3月11日に行われたリーグ戦のマンチェスター・ユナイテッド戦から4月19日のヨーロッパリーグのナポリ戦までの1ヶ月間、7試合中6試合をクリーンシートで終えている。

 それでいて攻撃面ではユース時代はウイングの選手だったこともあり、スピードを生かしたドリブルによる突破力を披露できる。状況に応じて大外を走るだけでなくウイングの内側をランニングすることで相手DFを混乱させるセンスもあるのだから驚きだ。

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