以前から万能性は評価されていたものの…
今シーズンのアーセナルは右サイドバックの人選に悩まされた。本来レギュラーのエクトル・ベジェリンは1月に負った靭帯断裂の怪我のためシーズンアウト。昨夏に獲得したステファン・リヒトシュタイナーは年齢による衰えも目立ち、プレミアリーグ適応に苦しんだ。
それでなくとも今季のアーセナルはCBのシュコドラン・ムスタフィのミスが目立っていたこともあり、守備面で不安定さを露呈していた。それでもギリギリのながら守備の崩壊を防ぎ、チームはヨーロッパリーグ決勝までたどり着いた。その快挙を語る上で忘れてはならないのが、右SBとして活躍したエインズリー・メイトランド=ナイルズだ。
クラブの生え抜きで将来を嘱望されている21歳の若者は、昨シーズンからアーセン・ヴェンゲル前監督の下で継続的に出場機会を与えられはじめた。
トップチームデビュー前から万能との前評判だったが、実際ヴェンゲル監督もナイルズをどこで起用するのか頭を悩ませていたようだ。左SB、右SB、そしてセントラルMF。様々なポジションで期待の若手を起用した。
基本的にはSBでの起用が多かったが、例えば昨シーズンの第36節マンチェスター・ユナイテッド戦では、推進力を発揮するだけでなく、パスワークにも問題なくかかわり、守備面でも一定の貢献を示した。結果試合自体は1-2で敗れたもののマンオブザマッチに輝いている。身体能力も基本技術も高いため、中盤でも一定のクオリティでプレーできてしまうのだ。