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「あれが今のチームの雰囲気」。菅原由勢が語る3-0快勝の隠れたハイライト【U-20W杯】

text by 編集部 photo by Getty Images

菅原由勢
菅原由勢は3点目を決めた選手に歩み寄り…【写真:Getty Images】

 FIFA U-20ワールドカップ2019のグループリーグ第2節が26日に行われ、U-20日本代表はメキシコに3-0で快勝。大会初勝利を挙げて勝ち点を4に伸ばし、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
 
 圧巻のパフォーマンスでゴールを重ねる中で、“隠れたハイライト”とも言うべき場面があった。76分に宮代大聖が日本の3点目を決め、ピッチ上の選手たちや控えメンバーたちと喜びを分かち合った直後に、それはベンチの目の前で起こった。

 ゴールから距離が遠く喜びの輪から少し離れていたDFの菅原由勢が、両手を挙げて宮代に近づいていく。2つのバースデーゴールを奪った背番号13のストライカーも、それに応じて両手を挙げてハイタッチしようと歩み寄る。

 すると菅原は宮代の手前で腕を下げ、くるりと反転。宮代は意表を突かれ、菅原の尻をペチッと叩いた。この場面について“Uターン”の当事者に真意を問うと、「あれが今のチームの雰囲気だと思います」と笑顔を見せた。

 チームのムードメーカーでもある菅原は「理想通りです(笑)」とも。そして「誕生日でもあったので(宮代に)抱きつこうと思ったんですけど、まだまだここで終わりじゃないですし、もっと大事なところで点を決めてくれたらいこうかなと思います」と続けた。

 宮代と菅原は2年前のU-17ワールドカップも共に戦い、昔から気心の知れた仲。だが、今のU-20日本代表は彼らだけでなく年上の選手も年下の選手も、年齢や経験問わず1つの組織として一体感を増してきている印象がある。

 それでいて初戦のエクアドル戦で先発から外れたメンバーが「出られなくて本当に悔しかった」と語るように、短い大会期間中でもそれぞれのポジションで激しい競争が繰り広げられているのだ。チーム一丸となって勝利を追い求めていく姿勢もありながら、個々の競争もあり、一方で選手同士の良好な関係性も共存する。

 合宿期間も長くなってきたが、U-20ワールドカップに入ってエクアドル戦、メキシコ戦と試合を重ねるごとにさらにチームとしてのまとまりが強固になってきた影山ジャパン。メキシコ相手に3-0の快勝を収めてグループリーグ突破へ前進し、今後もより一層組織力や団結力が増していきそうだ。

(取材・文:舩木渉【ポーランド】)

【了】

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