「優勝するためには失点しないこと」
「何より大事なのは、チームが勝利に向かって一致団結して戦えるかどうかだと思う」。2月のキックオフ・カンファレンスでジョーはそう話していた。「世界を見渡してみても、タイトルを獲得するのはいつも団結力を持ったチームだ。11人全員でチームを作り上げている」
「Jリーグに来る外国人選手の数は増えている。だが日本人選手と外国人選手がピッチ上で一緒に戦えなければ強いチームは作れない。そこが違いだ」
今のグランパスは間違いなくそれができている。ハイテンポでアグレッシブなスタイルを長谷川アーリアジャスールや米本拓司、吉田豊らの選手たちが体現し、対戦する相手に楽な戦いをさせていない。
だがランゲラックは、今年の最後にタイトル争いに残ることができるかどうかは、彼自身と彼の前にいる選手たちが守備面でのパフォーマンスを継続することができるかどうかで決まると考えている。
「シーズンの最初にも言ったように、使い古された言い回しがある。試合に勝つためにはゴールを奪えばいいが、優勝するためには失点しないことが大事だということだ。だからディフェンスをもっと強化しなければならない」
今のところ30歳の守護神は、12ヶ月前のようにゴール前で忙しく働かなくて済むことを喜んでいる。
「去年は大変だったが、今は良くなっている。チームとして信じられないほど良い戦いができている。試合が終わるといつも、力強く戦ってくれたみんなに感謝を伝えている。今年の彼らの後ろにいられるのは素晴らしい気分だ」
「僕はいつも落ち着いて試合ができると感じられる。全員が監督の要求するとおりに、すごく高いレベルのプレーをしているからね。今のこのチームで戦えるのは最高だよ」
(取材・文:ショーン・キャロル)
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