今後の打開策を速やかに提示できるか…?
実際、アジアカップを準優勝で終えた後に、多くの選手が「次はコパに向けてレベルを上げていきたい」と発言していた。3月のコロンビア・ボリビア2連戦で8カ月ぶりに代表復帰した香川も「ここからコパに向けてベシクタシュで調子を上げたい」という青写真を描いていたという。
2014年ブラジルワールドカップでも嫌と言うほど味わった通り、ホームの南米で戦う南米勢というのは凄まじい強さを見せつけてくる。その現実を日本代表のトップ選手が体感してこそ、真の強化になったのではないか。その貴重な場が失われたことは、やはり残念と言うしかない。
もちろん1年後に自国開催の五輪を控えたU-22世代が世界最高基準を知ることも大きなチャンスだ。その代表チームに今季目覚ましい活躍を見せている杉岡大暉や三好康児、久保建英らが呼ばれるのは一向に構わない。
ただ、彼らの成長速度を上げようと思うなら、やはり欧州組や国内組トップ選手と絡ませた方がよかった。そう考えると、やはりコパの陣容はキリンチャレンジカップ2連戦のメンバーであるべきだったのだ。
そういう方向に物事が進まず、IMD以外の代表活動が年々難しくなる中、どのようにチーム強化を進めていくのか。そこは今こそきちんと考える必要がある。協会は今回の問題点を整理し、検証したうえで、今後の打開策を速やかに提示することが肝要だ。
いずれにせよ、A代表初招集13人を含むコパ参戦組には、持てる力の全てを発揮して、南米の強豪に一矢報いてもらうしかない。彼らが希望を示し、結果も出してくれれば、「今回のチーム編成はポジティブだった」ということになる。ロシア以来の代表復帰となる川島や岡崎ら選手たちにはブラジルの地でぜひともサプライズを起こしてほしいものである。
(文:元川悦子)
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