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香川真司 6年前

「ありがとう、お疲れ様…」。鳴り響いた香川真司への拍手。無駄ではなかったトルコでの日々

text by 本田千尋 photo by Getty Images

次第に歌われなくなった“シンジ・カガワ”のチャント

 なぜ、香川には拍手が送られたのだろうか。このカシムパシャとの最終戦で、背番号23は先発出場したものの、ゴールやアシストといった結果を残すことはできなかった。5日に行われたガラタサライとのダービーの後で、長友佑都が「一番視野が広くて怖い選手」と形容したように、香川だけが見えているところへ展開するプレーは散見されたが、全体的にはインパクトを示すことはできなかった。周囲との連係が噛み合わない場面も見受けられ、不完全燃焼感は否めない。

 このレンタルで加入した半年間を通して見れば、14試合に出場して4ゴール2アシスト。先発出場したのは、第23節のフェネルバフチェ戦、第26節のギョツテペ戦、第29節のシヴァススポル戦、そしてこのカスムパシャ戦の4試合に留まった。

 フェネルバフチェ戦では1アシストを記録したが、ドルトムント時代のように、ライバルとのダービーで決定的な仕事をすることはできなかった。優勝の行方を賭けたガラタサライ戦では、長友が胸をなでおろした15分間の出場に留まっている。

 もちろんデビュー戦となった第20節のアンタルヤスポル戦での2ゴールや、第25節目のコンヤスポル戦で勝利を手繰り寄せたAT弾などは、ファンにとってもインパクト十分だっただろう。しかし、しばらくゴールが途絶えると、“シンジ・カガワ”のチャントは次第に鳴りを潜め、すっかり歌われなくなってしまった。

 ボルシア・ドルトムントだけでなく、マンチェスター・ユナイテッドにも所属したあのカガワがやってきた…加入時の熱狂的な歓迎を思えば、当初の期待がいつの間にか失望に変わっていたとしても、何ら不思議ではない。

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