途中交代の香川。鳴り響く拍手
交代が告げられ、香川真司がピッチを退く。すると拍手の音が鳴り響いた。24日に行われたスュペル・リグ最終節、カスムパシャ戦の80分。ホームで行われたベシクタシュの今季最終戦は、つまり、香川にとってもラストマッチだった。
昨冬にボルシア・ドルトムントから半年間の期限付きで加入した日本人MFが、来季もベシクタシュに残ることはない。そう考えているから、ファンは別れを惜しみ、拍手を送ったのだろうか。そもそも買い取りオプションが付いていないことや、完全移籍で獲得するにはベシクタシュに十分な資金力がない…といった情報は、ファンもどこかで目に、耳にしていておかしくはない。
もっとも、その音の響きは、万雷とまで形容できるものではなかった。前節、ガラタサライがスュペル・リグの優勝を決めていたため、今節は完全に消化試合。客席はまばらだった。いつものように声を上げていたのは、ゴール裏の一角だけ。スタジアム全体が巨大な熱を帯びることはなかった。
それでもイスタンブールで過ごす日々を終えようとしている香川への拍手には、十分な温かみが感じられた。55分にイェレマイン・レンスと交代でピッチを後にするリカルド・クアレスマが、サイドで仕掛けてはボールを失うなど、軽率なプレーが見受けられたからか、冷たいブーイングを浴びていた光景とは対照的だった。