顔面に当たりオウンゴール。不運にも責任感
「U-20ワールドカップは難しさはもちろん、ほとんどうまくいかない中でチームとしてどう戦うかがホント大事。個人としてもチャンスをつかみ取れればいいと思います」
2017年韓国大会の生き証人である田川亨介は、2年前の貴重な経験を23日開幕の2019年ポーランド大会に遺憾なく発揮しようとしていた。
U-20ワールドカップ2回連続出場というのは、日本サッカー界の歴史を振り返っても、97年マレーシア・99年ナイジェリアの南雄太、2003年UAE・2005年オランダの平山相太と田川の3人だけ。2人の先人たちはそれぞれの大会で大黒柱として活躍してきた。が、韓国での田川は控えFWに甘んじ、悔しさばかりが募った。今回はそれを晴らすべき重要な大舞台。ここまでチームの攻撃の軸を担ってきた久保建英や安部裕葵らが揃って不在ということあり、その穴を埋める働きが強く求められた。
影山雅永監督が田川と17歳の斉藤光毅を2トップに配置してスタートしたエクアドル戦。日本は試合の入りこそ悪くないように見えたが、南米王者にじわじわと押し込まれ、一方的に主導権を握られ始める。思うような組み立てができず、FW陣はボールが入らず、ストレスの溜まる展開が続いた。
そんな前半終了間際の45分、相手FKをGK若原智哉がパンチング。これが目の前にいた田川の顔面に当たってゴールネットを揺らすという不運に見舞われてしまう。
「事故って言えば事故なんでしょうがないけど、もうちょっと守り方を考えていればピッチの前に阻止できた可能性はあった」と本人も悔やんだが、一番嫌な時間帯の失点にチームには暗雲が立ち込めた。