ロングボールの効果と逆効果
立ち上がりの5分間は日本がラッシュしてリズムをつかんだが、それ以降はエクアドルが落ち着いてボールを支配した。前半終了直前に事故的なオウンゴールで失点。0-1でハーフタイムを迎える。エクアドルにとっては「いい時間帯」でのゴールに違いない。
最初の決定機は日本だった。すでに押されていた20分、菅原由勢から斜めのパスが出る。エクアドルのDFがボールに対して行きすぎたところを入れ替わった斉藤光毅がGKと1対1。GKを外したシュートは無人のゴールに入る寸前、ゴールカバーのDFによってクリアされた。これが前半唯一のビッグチャンスだった。
ある意味、このシーンは同点ゴールの予告編である。エクアドルのCBは何度かロングボール処理にもたつきをみせ、それが山田康太のゴールにもつながっている。ただ、影山雅永監督はCB狙いを事前に指示していたわけではないと記者会見では話していた。
「ボックスの脇、DFの裏を狙うのはチームとしてこれまでもやってきたこと」(伊藤洋輝)
とくにこの試合でそれが特別な作戦というわけではなかったようだ。ただ、菅原は「CBがボールより人へ食いつくという分析はあった」という。
「分析を頭に入れすぎて、結果的に前半はロングボールが多くなってしまった」(菅原)
後半もロングボールは使っていて、そのたびにエクアドルのCBの対応は怪しかった。しかし、後半について菅原は「裏もバイタルも使えていた」と話している。ロングボールの効果はあった。ただし、それだけではなかったということだ。