影山ジャパンの試金石に
バルデス監督曰く、エクアドルの強みは両サイドにある。確かに両サイドバックは強烈で、ともに攻撃への意欲が旺盛な選手が務めている。左サイドのジョン・エスピノサは18歳ながらオランダ1部のウィレムIIに所属し、今季のリーグ戦で27試合出場3アシストを記録した俊英だ。
彼らが果敢に攻め上がってウィングとのコンビネーションなども使いながらクロスを送り、カンパーナ、あるいはポルトガルの名門スポルティングCPに所属するゴンサロ・プラタらが合わせる形が出来上がっている。一気にスピードアップしてゴールに迫ってくるエクアドルの攻撃を止める鍵はサイドにありそうだ。
日本のセンターバックとして先発濃厚な小林友希も「相手のFWにもすごくいい選手がいるという情報を得ているので、そういった選手にまずは個で負けないことを意識してやりたい」と気を引き締めていた。
身長187cmに分厚い胸板と強靭な下半身を備え、とても18歳には見えない肉体を誇るカンパーナを警戒しないわけにはいかない。センターバックがしっかりと当たり負けせず対抗し、サイドでは相手の両サイドバックの攻め上がりを封じ込められれば日本にも十分勝機が転がってくるだろう。
さらにボールを奪えれば、ビルドアップ能力に定評のあるセンターバック2人からバルデス監督が弱点に上げた守備の脆い中盤を経由してエクアドルのゴールに向かっていけるかもしれない。日本としては前半にゴールを許さず、相手の出方を見ながらどのように戦っていくかの方向性をチーム全体でぴったり揃えて勝ち筋を見つけていければ最高の展開になる。
(取材・文:舩木渉【ポーランド】)
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