U-20日本代表のDF小林友希【写真:舩木渉】
FIFA U-20ワールドカップ2019のグループリーグ初戦・エクアドル戦を23日に控えたU-20日本代表は、22日にポーランドのビドゴシュチ郊外で前日練習を行った。
大一番を前にした小林友希の様子は、今までと明らかに違った。表情や話す内容が自信に溢れている。ヴィッセル神戸でプレーしている左利きのセンターバックは「今年なかなかチームで試合に絡めていない中で、やっぱり試合に出るのが一番だと思うんですけど、出れない分、練習できる時間はすごくあった」と、日々成長を実感している。
「自分の課題であった背後の対応であったり、特徴であったりヘディングだったりインターセプトのところは本当にコーチにも協力してもらって、いろいろ自主練を重ねてきたので、そういったところは本当に成長できたかなと思います」
小林は2年前にインドで開催されたU-17ワールドカップを経験している。それゆえに「対戦国がどれだけ目の色を変えて臨んでくるかもわかっている」と過去から学び、「前回ほど緊張せずにより自然体で入れる」と自信を覗かせた。
この落ち着きは、神戸でワールドクラスの選手たちと研鑽を積めていることも大きいはず。「日本人じゃない選手とやることによって、普段自分が日本人を相手にしている中では出てこないようなプレーだったり選択肢だったりを練習中から発揮してくれる。そういったところで自分の守備になったときの判断の材料はすごく増えましたし、今回の大会でも生きてくる」と、アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャらとの手合わせで得た収穫を存分に発揮するつもりだ。
そして、ルーカス・ポドルスキも小林にとっては大きな存在になっている。ポーランド出身の元ドイツ代表FWは、神戸でチームメイト。ワールドカップも制したベテランは小林が自らの生まれた国で行われるU-20ワールドカップに出場するにあたって気にかけてくれ、常々「もっと強くいけ」と発破をかけているという。その言葉を心に刻み「そういうところも明日の試合(エクアドル戦)で発揮できるように」とエクアドルの屈強なFWたちにも積極的にバトルを挑んでいく。
ポドルスキの魂を胸に、頭の中にはイニエスタやビジャとの勝負を思い浮かべる。小林は神戸での努力の成果をU-20ワールドカップの舞台で全て解放し、日本の勝利のために身を捧げる覚悟だ。
(取材・文:舩木渉【ポーランド】)
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