最初の2年は種を蒔く期間
一方、GKは目下の懸案事項だろう。川島永嗣の後継者としては権田修一、東口順昭がいるが、今後は攻撃力が求められるようになると思う。センターバックは確かに大型化しているが、空中戦で優位性があるほどにはならないと考えられるからだ。ベルギー戦のようにハイクロスで攻め込まれた場合、それを正面から跳ね返すとともに、ボールをキープして押し返し、相手の攻撃のリズムを切ってしまう戦い方が必要になる。
GKがリスク回避のロングボールを多用しているようでは難しく、GKも含めて後方からパスをつないでいくビルドアップの向上が必須である。足下の技術が高いGKとしてはシュミット・ダニエル、西川周作、高木駿がいる。大迫敬介、前川黛也など新世代も出てきた。
しかしGKに求められるのは第一に守備力であり、攻守をハイレベルで兼ね備えたトップクラスのGKとなると該当者がいないのが現状だ。その意味では横一線であり、森保監督がカタールワールドカップを踏まえてどこまでリスクをとるかにかかってくる。
チーム作りとして、最初の2年は種を蒔く期間になる。多くの選手を試し、可能性をできるかぎり広げておく。東京五輪後の2年間がチームとしての可能性を探る時期になるだろう。そこではさまざまな選手の組み合わせとともに、フォーメーションも多様化させるのではないか。均質型の日本にとって、対多様性はワールドカップを勝ち抜くためのカギになるからだ。そのときは4-4-2だけではなく異なるフォーメーションが使われるはずだ。
最終的に選抜する選手が決まり、フォーメーションも2つぐらいに絞り込まれるだろう。4-4-2の是非を問うなら、その段階になる。
(取材・文:西部謙司)
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