U-20日本代表のMF山田康太【写真:舩木渉】
ポーランドで開催されるU-20ワールドカップの初戦を2日後に控えた21日、U-20日本代表は試合会場となるビドゴシュチュ近郊で練習を行った。
軽いランニングやストレッチ、トライアングルパスをこなした冒頭15分間のみを報道陣に公開し、その後のメニューは非公開に。選手たちには笑顔も見られたが、戦術確認などでより実戦を意識した練習になった模様だ。
南米王者エクアドルとのグループリーグ初戦を前に、選手たちのモチベーションも日増しに高まっている。山田康太は「ゲームも近づいてきて、みんなピッチ外のところも集中力高く、意識高く生活できている。こういう練習も本当に試合が近いのに強度高く、本当に集中して、今までの活動で一番内容の濃い練習ができているかなと思っているので、試合に対する準備というところで自信は持っています」と胸を張った。
昨年10月のU-20ワールドカップ出場圏をかけたアジア予選ではベンチスタートの試合が多く、決して主役ではなかった。だが、交代出場でもハードワークを怠らず、チームの勝利を第一に考えてプレーする献身性と技術の高さが光り、世界の舞台への挑戦権も手にした。
「本当に後悔のないような大会にしたい。結果はどうあれ日本で見ている人も、自分たちも、本当にやりきったと言える大会にしたいと思っているし、本当に悔いのない大会にしたいです」
終わってから「後悔のない」ようにするには、とにかくチャレンジし続けなければならない。まずはグループリーグ突破のために、山田は自分の持ち味を組織に還元しつつ、これまで通りフォア・ザ・チームの姿勢を崩さない。
「モチベーションのところだったり、『チーム全員で』というのは自分たちは常に言い続けているので、自分がどういう立場であれ、チームが勝利に向かっていくために必要なことを全てやろうかなと思っているし、そういうところでしっかりチームに貢献することは意識しています」
横浜F・マリノスの下部組織からトップチームに昇格し、プロ2年目の今季は背番号を「38」から「14」に変更。昨年は右サイドバック、今年はYBCルヴァンカップでアンカーにトライするなどプレーの幅を着実に広げ、クラブやファンからの期待も大きい。だからこそU-20ワールドカップの舞台で自らの実力を証明して未来につなげたいところだ。
「ポジティブな行動だったり、アグレッシブに、受け身な試合はしたくないし、やられるなら前向きな姿勢を持って『やられた』となるように、本当に受け身で負ける試合はしたくないなと思います」
“ハマのプリンス”が“世界のプリンス”に……。人生を変えるかもしれない大舞台への挑戦が、ポーランドで始まろうとしている。
(取材・文:舩木渉【ポーランド】)
【了】